「きれいですね。春を感じて」
「やっぱりいいですね」

いま見頃を迎えつつある、新潟県燕市の『大河津分水桜並木』。
人気の花見スポットのひとつですが、ある課題を抱えています。

越後平野を洪水から守る治水事業・大河津分水工事の偉業を称えて植えられたソメイヨシノが咲き誇っていますが、中には傷んでいる樹もみられます。

どうしてでしょうか?

【燕市広報秘書課 太田吾郎 係長】
「一番初めに植えられたのが1910年ごろと言われているので、古くなって枯れたものもあります…」

燕市によりますと、大河津分水の桜の多くは100年以上前に植えられたもの。
最も多い時には6000本ありましたが、戦時中の木材確保や河川工事に伴う伐採、樹木の高齢化などで、その数は1500本にまで減りました。

いまは、市民有志による植樹などで、なんとか本数を保っているそうです。

【お花見に来た人】
「樹齢60~70年で枯れていくみたいなので、そういう活動は必要だと思います」

こうした桜の保全活動を、大手ビールメーカーも後押ししていました。

自社製品『晴れ風』の売り上げの一部を保全活動を行う自治体に寄付する取り組みを行っているキリンビールから、大河津分水の保全活動に80万円ほどが寄付されることになったのです。

【燕市広報秘書課 太田吾郎 係長】
「保全活動には費用面という課題もありますので、今回の事業については大変ありがたく思っています」

さらに保全活動を後押しするAIカメラのサービスもありました。
アプリで桜の写真を撮って送信すると、木の“健康診断”ができるということです。

こうしたデータは自治体に共有され、メンテナンスや植え替えなどの保全活動に役立てられます。

【燕市広報秘書課 太田吾郎 係長】
「最盛期には桜の並木は6000本あったそうなので、そこまで頑張って戻したい」

燕市では13日に、80回目となる伝統行事『分水おいらん道中』も行われ、豪華であでやかな行列が大河津分水の桜並木をよりひきたてます。