主に匿名で集まった若い人たちが強盗などの犯罪に加わる「闇バイト」。SNSが主な入り口で、地方に住む高校生も他人事ではありません。

ゲームを使って誘いの手口を疑似体験する授業が諏訪市の諏訪実業高校で行われました。

高校生は:「ダイレクトメールに(勧誘が)来ます。今も来ています。いっぱい来ていてうわぁと思って見ていて、知らない人なら削除しています」

高校生は:「TikTokで闇バイトの勧誘がめっちゃ溜まっていてどう対処したらいいのか分からなくて」

高校生は:「気付いたらいっぱい来ていて、ちょっと考えるだけで危ないと思うので全部無視しています」

身近な危険にどう対処すればいいのか。ゲームを使って誘いの手口を疑似体験する授業が行われました。

諏訪実業高校の3年生が食い入るように見つめているのは、闇バイトを疑似体験できるゲーム「レイの失踪」。

突然いなくなった友人=レイを追いかけていくストーリーで、闇バイトの手口や巻き込まれる過程をリアルに体験できる謎解きゲームです。

就職情報サイトの調査では、「SNSで怪しい求人」について、「見かけたことがある」という高校生がおよそ4割、「勧誘を受けたことがある」も1割に上っています。

ゲームを開発したのは、現役の大学生が立ち上げた会社「クラスルーム・アドベンチャー」。

代表を務める今井善太郎さんの友人の知り合いが、実際に闇バイトに巻き込まれたことがきっかけだったといいます。

「あ!ヒントはDM(=ダイレクトメッセージ)か!きたきたきたきた!」

生徒たちはまず、レイのSNSに届いたメッセージから手がかりを探します。

いかにも怪しい仕事バイトに興味を示していたり。

学生証や住所、そして家族構成に至るまで詳細な個人情報をたやすく教えていたり。

その後は、秘匿性の高い通信アプリへ誘導されるなど実際の事件と同じ手口が用いられています。

ゲームを進めていくと、犯人から脅しの電話がかかってくるなど現実さながらの展開になります。

高校生は:「お金がなくて、やりたくなっても犯罪者になるからやめようと思いました」

高校生は:「身近に潜んでいるとわかったのでお金が足りなくても気をつけようと思いました」

ゲームを通じた犯罪防止の授業は県内でも初めてで、主催者は「踏みとどまれる判断力や危険を見抜く力を身につけてほしい」と話しています。