転倒防止に手すりの設置、積極的なカルシウム摂取や運動を

骨折するとほとんどの人が歩けなくなります。寝たきり状態を避けるため早期に手術を行い、リハビリを始めるのが一般的な治療法です。

予防としては家庭に手すりの設置など、転倒を避ける住環境の整備が挙げられます。また、骨粗しょう症を防ぐために食事でカルシウムなどの摂取を意識することや、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを体内で作るために1日30分以上日光を浴びながらのウォーキングも効果的だとされています。

(原克利医師)「骨粗しょう症を正しく理解することが最も重要です。自覚症状はありませんが、骨折すると歩行や座ることも困難になり、その結果、寝たきりになります。そうなると床ずれや食物の飲み込みが悪化して肺炎を引き起こしたり、認知症のリスクが高まったりします。本人だけでなく、周囲の負担も大きくなることを知って欲しいです。骨折してからでは遅いため、気軽に検査を受けていただければと思います」

病院では、高齢者が転倒後に太ももの付け根やその周辺を痛がったり、違和感を訴えたりする場合は、速やかに医療機関を受診するよう呼びかけています。