米中貿易戦争「日本は最悪」日本経済に深刻な影響も

山形キャスター:
この関税をめぐっては、アメリカと中国の報復合戦となっています。アメリカは今、中国に対して125%の関税を課していて、一方の中国は84%となっています。この互いに高い関税をかけている状況は、経済評論家の加谷さんによると「日本にとっては最悪だ」といいます。
なぜかというと、例えば日本で作られた工業製品の部品を中国に輸出し、中国で組み立て、アメリカに輸出していたというケースは多いですが、中国とアメリカで関税が高くなり、アメリカとの取引がなくなると、日本の部品を中国がいらなくなり、結果的に日本の経済に深刻なダメージがあるのではないかといいます。
井上キャスター:
チキンレース状態で中国とアメリカはもう引き上げ合戦ですね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
中国はメンツの国です。アメリカが関税を上げたことで中国が引き下がったということになれば「習近平さん何してんだ」と共産党の中でも批判の対象になります。
実は中国は、約120兆円のアメリカの国債を持っています。この国債を、中国が売り始めたらアメリカも困ります。最後のカードを中国がどこで切り始めてくるのか米中対立はお互い引くに引けない状況になりつつあります。
井上キャスター:
現実的に中国がアメリカの国債を売る可能性はありますか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
あると思います。120兆円の10兆円ぐらいを売るだけでも相当長期金利は上がるので、トランプ氏にとっては相当な痛手になります。
出水キャスター:
星さんの見立てとしては中国の方が強いカードを持っているということですか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
中国はアメリカ産のトウモロコシを買わなくてもブラジルから買える。中国は民主主義ではなく選挙がないため、支持率も気にしなくていいという点では、交渉ポジションは中国が強いと思います。
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<プロフィール>
星 浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年