長野県山ノ内町のサービス付き高齢者住宅で食事の提供や介護サービスを委託されていた業者が突然破産しました。
入居者や関係者が対応に追われる中、経営していた男性がSBCの取材に応じました。
問題の発覚は、今月4日に届いた1枚の手紙からでした。
(入居者に届いた手紙)
「本施設におけるすべての業務を停止させていただくことになりました」

舞台となったのは山ノ内町にあるサービス付き高齢者住宅「メディカル志賀」。
入居者や従業員に連絡が一切ないまま、介護や食事のサービスを停止すると突然伝えてきたのです。
業務停止の理由は、人件費や水道・光熱費の高騰など。
さらに届いたFAXには「今後の食事は利用者自身で手配をしてほしい」とあり、弁当店の連絡先などが書かれていました。
入居しているのは10階建ての88戸のうち70戸、介護サービスを利用しているのは27人の高齢者。突然の連絡に困惑しています。

90代の母親が入居する男性:「あすからサービスも食事も一切なくなると。本当にひどいと思った。場合によっては命や健康に関わること。このようなことは許されない」
「メディカル志賀」自体を運営しているのは町内の事業者で、今回破産したのは、そこに併設され介護サービスなどを提供していた、「ヘルスケアセンター・メディカルタウン」という会社です。
去年9月にサービス事業を引き継いだばかりで、登記は岡谷市になっていました。
森記者:「メディカル志賀で介護サービスを提供していた会社の住所は、こちらの岡谷市のシェアオフィスでした。看板や社名の表記は見当たらない」
これまでの職員が解雇されたため、食事の提供や訪問介護は、急きょ担当者を見つけるなどして、サービスが滞らないよう関係者が対応に追われました。
入居者を担当するケアマネージャーは:「知らなかった。なんとも言葉にならない。今後の(入居者の)生活に危機を感じて」

突然の対応に奔走したのは、町の職員やこれまで携わっていたケアマネージャーたちでした。