上手に言葉を話すことができない穂花さんの声色や表情の変化などで、幹子さんはその感情を読み取っています。
【幹子さん】
「食べるの、まだ?」
「デザートも最後に食べるって知ってるから、甘いものが入ってくると、これじゃないって。『まだご飯、ご飯だろう』みたいな」

穂花さんのように、日常的に医療的なケアが必要な子どもは『医療的ケア児』と呼ばれています。
医療の進歩で助かる命が増える中、5年前の国の調査ではアンケートに答えた家族のうち4割が「5分間以上目を離せない」と回答。また、7割以上が「慢性的な睡眠不足」に当てはまると答えるなど、ケアの実態が浮き彫りになりました。

自由記述欄には「命の危険と隣り合わせで、目が離せない。慢性的な不眠でとてもきつい」、「常にギリギリの状態で日々の生活をしている。年々、自分の体調が優れない日が増えている」といった声も記されています。