■「電気の時代」が進む中でガス給湯器の未来 社長に聞くと  

――水素給湯器が実用化されるかどうかは、世の中の動きに左右される。

リンナイ 内藤弘康社長:
やはり水素が供給されないと、我々はどうしようもないということになりますね。

――メーカーとして先手を打って、水素で100%給湯できる機器をいま作ることが必要だと考えているのか。

リンナイ 内藤弘康社長:
そういうことですね。11月にできるのですが、(オーストラリアに)実際にモデルハウスを作ってそこに人も住んで、我々の水素給湯器をつけて実際に作動するかどうか、実際の生活をしてみて問題なく動くかどうかを、1年から2年かけて検証していくことになっています。

――トヨタのウーブンシティにおいて、水素で燃焼する調理器をこれから実験すると聞いている。

リンナイ 内藤弘康社長:
CO2を発生しない水素で調理をやっていこうと。それは(トヨタと)一緒になってこれから進めていこうと思っています。

――歴史を振り返ると様々なガスの種類もあったし、現に石油ガスから天然ガスへの移行もあった。大きな転換が行われても不思議ではないということか。

リンナイ 内藤弘康社長:
CO2がトータルで発生しないように、メタネーション(合成メタン)やプロパネーション(合成プロパン)といった水素とCO2を合成したガスができないかという研究が進められています。将来的にはそういったことも可能性があるし、水素のガスを使う可能性もあるし、ヒートポンプ(電気)とガスとの結合というハイブリッド給湯器が可能性としてあるわけです。ですから、どれにでも対応できるようにしておかなければならないと思います。

――脱炭素の時代は電気の時代と言われ、クリーンな電気を使ってエネルギーの原動力にしていくのが一番近いのではないかと言われる。この電動化の時代についてはどう見ているのか。

リンナイ 内藤弘康社長:
全部を電気でやるというのは本当に得なのかどうなのかですよね。冬に寒波が来て電力が足りなくなったと騒がれるのですが、そういう時に暖房ガスにちょっと切り替えてもらえば解決するじゃないかという考えはあります。