「速度計」どう考える? 他都市の路面電車・専門家は

他都市の路面電車ではどうなのでしょうか。

速度計を設置しているのは、熊本市電は約42%ですが、長崎電気軌道は約15%、鹿児島市電は約54%。広島電鉄はデータは非公表ですが「速度計を設置していない車両もある」ということでした。

一方、車両の年式は様々ですが、北海道の「函館市電」や東京の「都電荒川線」など、100%設置している路面電車もあります。

速度計がないことについて、長崎は「運転士の感覚で判断している」と、特に問題視はしていません。

一方、鉄道の安全管理に詳しい関西大学の安部誠治(あべ せいじ)名誉教授(72)は「速度計を設置せず、速度制御を人間の感覚に任せるのは、安全管理上、適切ではない」として、早急な設置が望ましいとしています。

安部教授は、路面電車に速度計の規定がない理由について「路面電車は100年以上の歴史があり、現代とは異なる交通事情の中で導入された規制が、現在も残っているためだろう」と分析し、熊本市電で相次ぐ運行トラブルを踏まえて、「安全管理そのものに問題があると考えられる。国の運輸安全委員会の報告書が出れば、誠実かつ速やかに改善を図ってほしい」としています。