広島市内の環境保全団体に勤務する馬場田さんが、休耕田の再生に取り組み始めたのは、広島土砂災害で被災した地区内の遊歩道をボランティアで修復したのがきっかけでした。


2年前には、家族で大林町に引っ越し、この土地に正面から向き合っています。


地元の人
「ワナにかかったけえ」


6月中旬、近くの農家が仕掛けたワナにシカがかかったこの日。花畑も被害を受けていました。


馬場田 真一 プロジェクトリーダー
「あっという間にこの状態、首だけにされて…。きのうまでは、ちゃんと葉っぱがあって、大きくなっていたんですけど。やられましたわ」


― シカとの戦いですね?
「ほんまに激戦区です」


畑のセンサーカメラの映像です。電気柵は、シカの侵入を防ぐことができませんでした。


シカは、畑のまわりに広がる耕作放棄地を住みかにしているようです。今月上旬、馬場田さんの畑の夜回りに同行しました。


馬場田 真一 プロジェクトリーダー
「いつも、こんな感じです。20頭から多いときは40頭くらい見たりします」


深夜、馬場田さんの家から桧山地区に向かうと、道の両側から次々にシカの姿が現れました。畑の夜回りは、秋のこの時期は3日に1回。夏場は毎日、行います。


馬場田 真一 プロジェクトリーダー
「こりゃ、いかんですわ」


花畑に行くと、2日前は異常がなかった電気柵が壊れていました。すぐそばのやぶの中から飛び込んできたようです。

馬場田 真一 プロジェクトリーダー
「もうコスモスのコの字もないです」


ここは、コスモス畑にする予定でしたが、花が咲く前に全部、食べられました。


ふるさと楽舎 馬場田 真一 プロジェクトリーダー
「まあ、ちょっとしんどいところもありますが、楽しみながら、いろいろ試行錯誤しとります。負けてたまるか」


桧山地区で稲刈りが始まり、ふるさと楽舎のメンバーは農業の先生・保原さんの収穫作業を手伝っていました。


農業の先生 保原 哲也さん
― 助かっていますか?
「うん。そりゃ、まあ、ええですよ。初めてよ」


馬場田さんは、保原さんが作ったコメに興味津々です。


馬場田 真一 プロジェクトリーダー
「(コメが)きれいです。保原さん、きれいですね」


馬場田さんがあらためてコメ作りのノウハウをたずねる中で保原さんは、その本気度を今も計りかねているようでした。


農業の先生 保原 哲也さん
「仕事もどんどん忙しくなって、管理職でもなれば、なかなか上がって来れんよね」

馬場田さんが反応しました。


ふるさと楽舎 馬場田 真一 プロジェクトリーダー
「わたしは継続。続けていって、メンバー増やしながら、半農半Xじゃないけど、町まで通いつつ、順番に見ていくとか、そういったシェアするような形ができてくるといいかなとは思っています」