山田は2018年、大阪桐蔭高校(大阪)で根尾昴(中日)、藤原恭大(ロッテ)、柿木蓮(日本ハム)、横川凱(巨人)らと甲子園春夏連覇を達成した。多くの仲間がプロに進んだが、山田は中学生からの夢でもあった東京六大学でのプレーを選び立教大学へ進学、1年生からレギュラーで活躍し、大学4年間で現役最多の85本のヒットをマークした。
「ヒットゾーンにボールを飛ばすバットコントロールというのは自分の強みかなと思います。自分の中で後悔しない打席を毎打席送ろうというのは心掛けているのでその結果が80安打(現在85安打)につながっていると思います」と自身を評価する。
野球経験の父親発案の独自練習
山田のバットコントロールの原点となったものは“新聞紙”。小中学校時代、野球経験がない父親が新聞紙を丸めてテープで巻きつけて作った特製のボールで、毎日少ない時間でも家の中でバッティング練習をした。
「新聞ボールを丸めて作ってくれて、それを父親が毎日たくさん投げてくれていた。父親にはバッティングをいろいろ教えてもらいましたし、いまのバットコントロールがあるのはそのおかげなのかなと思います」
最初は簡単に打てる特製ボールだが、使い込むとテープが剥がれ、球の軌道が不規則に変化するようになる。山田はそれをバットに当てるという練習を続け、微妙な変化球にも対応出来るバットコントロールが身についたという。
モットーは「大胆不適」
技術だけではなくメンタルの面でも両親から貰った大切にしているものがある。「大胆不敵」という言葉だ。「大胆不敵」とは“度胸が据わっていてまったく恐れないこと”。「初めて親に買ってもらったバットに“大胆不敵”って書いていて、その意味を知ってからいい言葉だと今でも大事にしている言葉です」
バットだけではなくグラブにもこの言葉を刻み「グラウンドに立ったら自分が一番上手いと思ってプレーする」と自ら言い聞かせている。
大阪桐蔭時代のチームメイトからは4年遅れてプロの世界に飛び込むが「見ていてワクワクするようなスケールのデカい選手になっていきたいなと思います」と笑顔で語る山田。果たしてどのユニフォームに袖を通すのか。運命のドラフト会議は迫っている。
■山田健太(やまだ・けんた)プロフィール
2000年7月19日生まれ。183㎝、87㎏。右投右打 愛知県稲沢市出身。千代田小2年時に軟式野球を始め、中学3年夏に中日本選抜で世界大会優勝を経験。大阪桐蔭では1年生秋からレギュラーで2018年センバツ、夏の甲子園と優勝し春夏連覇を達成。同学年には根尾昴(中日)、藤原恭大(ロッテ)、柿木蓮(日本ハム)、横川凱(巨人)がいる。立教大では1年春季リーグ戦で打率.375 本塁打2、秋季リーグでは打率.333をマークしベストナインに選出。東京六大学リーグで現役最多の85安打を放っている。現在は大学通算81試合、打率.298、85安打、9本塁打、37打点。














