
避難計画について日本大学危機管理学部の中林啓修准教授は、避難を求められる住民の目線で次のように話しています。
▼日本大学危機管理学部 中林啓修 准教授「それまで住んでいた生活をいきなり中断し、全然知らない土地に行き、いつ帰れるかわからない。それって簡単に人に言っていいことじゃないはずなんですよ」
中林准教授は、避難を拒否する住民の感情も理解できるとしたうえで、計画の必要性についてはこのように訴えています。
▼日本大学危機管理学部 中林啓修 准教授「我々はこういうことをしたら必ず戦争を防げるというものをまだ見つけられていない。我々が戦争を制御できていないとすれば、やっぱりいつ起きてしまうかわからない。どんなに努力をしたとしても、起きるときは起きてしまう。そういう可能性は否定できないものだと思っています。起きてしまったときに“何も考えていませんでした”というのは、あまりにも巻き込まれてしまう人たちに対して無責任に思えるんです。国民保護計画は日本が合法的に戦争できるようにするためのものでは全くない。社会を何とか維持していくために必要な計画の検討をちゃんとやってもらいたいと思っています」
避難計画をめぐっては、支援が必要となる要配慮者の避難や、畜産農家など島に資産がある人たちへの補償の問題、避難先での生活の保障など、課題が山積しています。
計画を進める政府と自治体は住民への丁寧な説明を繰り返し行い、住民からの意見を十分に聴き取ったうえで、慎重に議論を重ねていく必要があります。