20日のプロ野球ドラフト会議で1位指名が予想される早稲田大学・蛭間拓哉(22)は東京六大学リーグで12本塁打を放ち、大学生の侍ジャパンでは4番を託された大学屈指のスラッガー。高校は名門・浦和学院で1年生の春からレギュラーを務め、その実力は折り紙付きだ。

豪快なバッティングの裏に秘める“謙虚さ”

名門・早稲田大学の4番に座り、東京六大学リーグでは通算64試合に出場(10月19日時点)、4年間で12本塁打の“大学No1スラッガー”、蛭間。高校時代は強豪・浦和学院高(埼玉)で1年春からレギュラー入りし、3年夏の甲子園には主将として出場、仙台育英高との初戦で本塁打を放ち8強入りした。中日・根尾昂(22)、ロッテ・藤原恭大(22)らとは同学年で、一緒にU18侍ジャパンとしてプレーした経験がある。

世代最強スラッガーでありながら、どんなときも「“謙虚”という言葉を、すごく大切にしている」という蛭間。バッティングは常にセンター返しを意識する。「ホームランを狙ってスイングがバラバラになる時とかは『“謙虚”にセンター、センター、センター』って。そういう意味でも、謙虚に、謙虚にっていうイメージで」。


ユニークな練習法が生んだ力強いスイング

プロ注目の力強いスイングを生み出した、蛭間ならではのこだわり、“呼吸法”がある。

「(息を)吸っている状態で構えてしまうと力みにもつながってしまう。(息を)吐きながら、体感だったり丹田(おへその下)を意識することによってインパクトに力が入りやすくなるので、自分は(息を)吐いている」。

高校時代はこの呼吸法を身につけるため、ストローを使って練習。「とにかく(息を)吐く。吐いて、吐いて、吐いて、息を吐いて(ボールを)呼び込んで打つっていうのを。ストローをくわえながらバッティングしてましたね」とユニークな練習法で世代最強の名を手に入れた。

独自の理論を持つ、謙虚なドラフト1位候補が目指すのは…。

「理想の選手はオリックスの吉田正尚選手。三振が少なくてホームランも打てて、勝負強いバッティングもできる理想のバッターだなと思います」。9球団がドラフト前に1位指名を公表するという異例のドラフトとなった今年、蛭間は西武が1位指名を公言。運命のドラフトで吉報を待つ。