10月7日に外国特派員向けに会見した旧統一教会・元2世信者の小川さゆりさん(仮名)に対して、両親から会見中止を求める内容の手紙が届きました。この会見中止要請について教会側は「小川さんの症状が悪化することを心配した『親心』から」と説明しました。教会側のコメントに小川さんは「親の情で心が揺らぐのを利用していると思い最低だと感じた」「これからもメディアを介して2世問題を解決しようと思った」としました。元信者でジャーナリストの多田文明氏は「旧統一教会は何でも利用する」と話し、岸田総理が指示した質問権の行使などについて話を聞きました。

多田氏「旧統一教会は何でも利用する」正体を言わず勧誘も

ーー10月7日に元2世信者の小川さゆりさんが日本外国特派員協会で会見を開きました。その際、小川さんの両親の署名が入った会見中止要求が旧統一教会から送られてきました。教会側は「ご本人を心配した親心からです」というコメントを明らかにしました。会見や教会側のコメントなどを見てどのように思われましたでしょうか?
「この会見は非常に衝撃的でした。統一教会がコメントしている『親心』というのは完全にはき違えていると思っていて、旧統一教会では教義上、文鮮明教祖が本当の父母、親だと教えられているわけです。今回、精神に異常をきたしているとか、親がそんんことを言うなんて通常は考えられないじゃないですか。でも統一教会の中にいたらこういうことを言わざるを得ないかもしれない。指示もあって」

ーー教会側の説明に小川さんは「親の情で心が揺らぐのを利用していると思い、最低だと感じた」とコメントしています。多田さんはどうお感じになりましたでしょうか?
「彼女はすごくよくわかっていますよね。統一教会は何でも利用するんすよ。親心だと言って、例えば霊感商法では壺を売ったりとか非常にそうしたことをしてくると。一つだけ補足すると、1世信者は自ら入ったというよりは、統一教会だと言われず正体を隠して入っているんですね。結局。構図としては似ていると思います」

ーー教会側から対話の機会を設けるという提案がホームページ上であったことについて
小川さんは「内々に示談をしたい思いなのか、話し合いをするなら、メディアを介してしたい。圧力を感じるが、『2世問題を解決しよう』と改めて気持ちを強くした」としています。
「一つ言いたいのは、クローズドの世界で騙すことが実は旧統一教会の得意技なんですよ。オープンな場で話すということが大事なんですよね。クローズドなところで説得して、教団に引き入れようとか、みんなそういうふうな所で戻されたりしています」