南海トラフ巨大地震の被害想定などを政府が13年ぶりに見直し、31日に公表しました。県内でも最大5メートルの津波が観測され20人の死者が出る恐れがあるということです。
30年以内に80%程度の確率で発生するとされる、南海トラフ巨大地震。政府は被害想定などを初めて公表してから10年以上経過したことを受け、専門家らによるワーキンググループを立ち上げて見直しを進め31日に報告書を発表しました。
報告書によりますと、想定される死者数は最大で約29万8000人。最大クラスの地震が発生した場合、全国の約3割が震度6弱以上の非常に強い揺れや3メートル以上の津波に襲われるということです。
県内では津波の被害が深刻で、名護市や国頭村で最大5メートル、糸満市や豊見城市うるま市などで最大4メートル、那覇市などで3メートルの津波が到達する恐れがあります。また、こうした津波による死者は最大で20人と予想されていて、13年前の被害想定よりも10人多くなっています。
一方、地震が発生した直後に全員が避難を開始していれば津波による死者は出ないと予想されていています。津波により1メートル浸水すると想定死亡率は100%、30センチでも歩くのは困難で、早めの避難が重要となっています。