あす4月1日から新年度ですが、生活に欠かせない食料品などのさらなる値上げが予定されています。

家計の支出のうち食費の割合を表す「エンゲル係数」を見てみると、去年はなんと28.3%で、1981年以来、43年ぶりの高水準となっています。

ランチタイムでにぎわう県庁近くの町中華。先代から続く店の看板メニューがあります。煮カツ定食です。

山崎キャスター:「このメニューを作るのに値上げが影響しているものって何ですか?」
飲み食い処にしやま 松下陽一代表:「ごはん、タマゴ、キャベツ、油もちょっと前に比べれば倍以上の値段。今苦しいところ」

カツを揚げる油、野菜、コメといった材料費のほか光熱費なども4月から値上がりします。

松下陽一代表:「もう業者も(値上げの事前連絡が)間に合っていない。上がっちゃいましたみたいな。営業努力のしようもない。いかに無駄をなくすかと言っても切り詰めてやっているところなので限界にきているというか、今は我慢するしかない」

帝国データバンクによりますと、あす4月1日からは4225品目が値上げされる見通しです。調味料、酒類・飲料、加工食品や乳製品などで、4000品目を超えるのは、おととし10月以来です。

この中でも4月1日から仕入れ価格が上がるのがアルコール飲料です。

お客さん:「きょうのうちに買っておこうと思って来ました。控えられればいいが、好きなものはどうしても飲んじゃう。痛いですよね、値段が上がると」

ビール大手4社はビールやチューハイなど200品目以上を3%から12%ほど値上げします。

食料品も扱う長野市内のホームセンターでは、入り口近くにケース売りの商品を並べて、値上がりを知らせています。

綿半ホームエイド檀田店 清水正太郎エリアマネージャー:「売り場にポップをつけて、4月1日から仕入れ値が上がるアピールをできるだけ早く知らせている。ケース買いをするお客さんは増えている」

去年の同じ月に比べて、ケースの売り上げは16%以上アップしていますが、一方で…

清水正太郎エリアマネージャー:「今回の値上げが目の前にあるからまとめて買っておこうというお客さんは箱を買う。嗜好品の部類になるので、必要以上にお金を使いたくないお客さんは、ケース買いを6缶にしたり、バラ買いをしたり、買い方を変えているという印象」

ただ、値上げは、1日からすぐに…というわけではなく、これまでの仕入れ分があるため4月7日以降、順次していくということです。

店によりますと、この1年は仕入れ値が上がる商品が多く、その都度、価格に反映せざるを得ない状況が続いているといいます。

清水正太郎エリアマネージャー:「乳製品や牛乳など、家計を応援する独自に値段を下げて、できるだけお客さんに安く提供できる努力をしている」

4月以降もチーズやヨーグルト、ハムにソーセージ、家庭用の食用油、そして冷凍食品なども値上げが予定されています。

清水正太郎エリアマネージャー:「同じ買い物をしてもトータルの金額が相当上がるので、なにか買い控える。わざわざ買わなくていいものを止めちゃうという動きになると思う」

さらに紙類も…。トイレットペーパーやティッシュも4月以降10%以上の値上げが予定されています。

ライフラインにも影響が…。
電気料金は政府の補助金が終わることを受けて、4月分から値上がりする見通しです。

また、水道料金も上田市が設備の維持や更新などを理由におよそ2割、下水道料金も1割ほど上げます。今後、値上げを検討している市町村もあります。

さて店側はどんな形で消費者に「お得感」をアピールしているのでしょうか。

清水正太郎エリアマネージャー:「ここにあるヨーグルト。これもプライベートブランドで作っている商品。こうしたPBを増やして、価格とお客さんが求めている商品の値段のバランスを随時取り組んでいかないといけないと思っている」

生活に欠かせない品々の値上げラッシュはこの先も続く見込みで、家計への影響が避けられないのが実情です。