じっと座って、髪を切ってもらう。

文字にしてしまえばそれだけのことが、どうしても苦手な子どもがいます。

「髪の毛チョキチョキしない!」

現在、日本に推計100万人超とされる発達障害の子どもたち。感覚が過敏だったり、初めての場所が苦手だったりして、髪を切りに行けない子が多いのです。

5歳のげんきくんが訪れたのは、そんな発達障害の子どもたちを受け入れている美容室です。

最初は店の近くに止めた車から降りることさえ、できませんでした。

美容師の赤松隆滋さん(50)は、こう言います。

「彼らは“困った子”じゃなくて、“困っている子”なんですよ」

なぜ赤松さんは、発達障害の子どもたちと向き合う美容師になったのでしょうか。そしてげんきくんは、髪を切れるようになるのでしょうか。