長野県須坂市のふるさと納税の返礼品の一部に、ほかの地域で作られたシャインマスカットが使われていた問題で、市は25日夜、関係する農家や業者を対象にした説明会を開きました。
参加者からは怒りの声が聞かれました。
須坂市で開かれた説明会には、ふるさと納税の返礼品を製造している市内の事業者など145人が集まり、三木正夫市長や担当者との質疑応答に臨みました。
■日本グルメ市場 山﨑裕次社長:
「このたびは大変申し訳ございませんでした」
この会に同席したのが、返礼品のシャインマスカットなどの収集や出荷を市から委託され、一部でほかの産地で作られたブドウを送っていた和歌山県の「日本グルメ市場」の社長と担当者です。
■山﨑社長:
「今回の混在の原因は私が仕入れ先に対し、きちんと発注書などを交わしてこなかったこと、また日々の仕入伝票を確認せずに和歌山の市場に任せきりにしていた私の監督責任だと思っております」
出席者からは厳しい意見が相次ぎました。
■出席者:
「須坂市から返礼されたものすべてがあたかも偽造があるように受け取られている方がSNS等で多いので…」
「一番被害にあったのは寄付をしてくださったお客様、偽物をつかまされている。ですから補償するのは当たり前。そうですよね?」
■山﨑社長:
「いま現時点で具体的な内容、どういった対応をしていくのかはお答えできかねますが 前向きに検討したい」
農家などが危惧しているのが先日、総務大臣が可能性に言及したふるさと納税の指定の取り消しです。
■出席者:
「4月3日からスタートするアスパラガスの発送が控えている」
「今年は出荷できないということであれば、確保した数をほかに回さなきゃいけない」
■三木市長:
「総務省の判断待ちになりますので、総務省の判断が出た時に皆さんにお知らせして参りたい」
また、業者を仲介させる制度そのものへの疑問の声も上がりました。
■参加者:
「ふるさと納税はそもそも地域の産業を良くするはずなのに まったく別の県の業者がもうけてしまうふるさと納税に意味があるのか」
問題の原因については…。
■山﨑社長:
「(質問・地元産の供給が足りていなかったということは?)一切ございません しっかりとペーパーで契約書というのはやっていなかったのは確かです」
■説明会に出席した農家:
「『知らなかった』とか『認識不足』だけで通ってしまっていて、言い方悪いですけど 今後の補償についてとぼけられたら困るし こんな形になって残念でしかありません」
説明会は、およそ3時間に渡って開かれ、参加者の怒りの声が飛び交う場面もありました。
須坂市に対し、総務省は4月21日までに経緯を報告するよう求めていますが、農家にとっては今後の計画が立たず、余波が広がっています。