岩手県大船渡市の大規模山林火災の発生から26日で1か月。発生当初から現地で調査活動にあたる研究者に今後の山林再生の道のりについて聞きました。
京都大学防災研究所の峠嘉哉・特定准教授は2月19日、大船渡市で発生した一連の山林火災の最初の火災を受けて2月23日から大船渡市に入って調査していました。
2月26日、赤崎町合足で火災が発生した当時の様子をこう振り返ります。
(峠特定准教授)
「大船渡におりながらも、非常に風が強いなというふうに感じておりました。地面にあるようなゴミとかが、もう風で舞ってしまったりとか、お店の前にある広告用の旗がバタバタバタバタしたりとかでね。風がすごく強くて怖いなと思っていたら、サイレンを聞いて大きな火災に至りましたので」
当時、消防団活動に加わった大船渡市赤崎町の袖野雄さんも、これまで経験したことのない延焼の速さに恐怖を感じていました。
(袖野雄さん)
「火災が起きた時の風の強さも全然違っていたし、火の広がり方の速さも全然違ったので、ビビッて何もできないような状態でしたね」
2月の大船渡は降水量は観測史上最も少ない2.5ミリ。
12月から2月の3か月間の降水量も平年の24%しかなく、強風と極端な乾燥が火災を一気に延焼させたとみられています。
今回の山林火災のターニングポイントとなったのが3月5日に降ったまとまった雨。
その後、鎮圧・鎮火に向けて消火・警戒活動が続けられてきました。
(峠特定准教授)
「火種というのは、なかなか領域の中で水がなかなか浸透しにくいようなところに残っていたりするので、消防活動というのはすごく地道な作業をずっと続けないといけない」
23日に地元消防団らが参加して400人規模で行われた鎮火に向けた調査活動では、火災で真っ黒に焼け焦げた大きな木が複数倒れ、地面も落葉が燃え尽き山肌がむき出しになるなど、山林が深く傷ついた姿が明らかになりました。