東北から九州の広い範囲で黄砂の飛来が予想されています。
気象庁によると、大陸で巻き上げられた黄砂が偏西風によって運ばれ、日本付近では3月25日から26日にかけ黄砂が飛来する見込みです。
アレルギー症状や呼吸器疾患の悪化などに影響が出る可能性があり、気象庁が注意を呼びかけています。
スギ花粉よりはるかに小さい…“有害物質”運ぶ黄砂

「黄砂」は太古からあり、春先に多く見られる気象現象の一つです。
中国大陸内陸部の砂漠地域で風によって巻き上げられた砂が偏西風に乗って日本へ飛来する現象をいいます。
大きさを見ると、髪の毛の太さが大体80~90μmで、スギ花粉が20~30μm。黄砂は花粉より小さい4μmです。
一つ一つは目で見える大きさではありませんが、大量に飛来することで空が黄色く見えることもあります。
中国では既に黄砂が襲来しており、中国の気象当局は11日今年初となる黄砂の警報を発表しました。
黄砂がもたらす被害としては、
▼自動車や衣服が汚れてしまう
▼細かいところに入り込んで精密機器の不良を引き起こす
▼健康への影響
などがあります。
黄砂がもたらす健康被害

黄砂には有害な金属成分や微生物などが付着しています。
人体への影響を現地調査などを行い研究している大西一成准教授は
「中国の大気汚染の影響で、近年の黄砂は有害な物質も一緒に運んでくる」と話します。

実際、モンゴルで採取した黄砂と日本で採取した汚染物質が付着した黄砂を比べてみると、 黒っぽく変色しているのがわかります。
聖路加国際大学大学院 公衆衛生学研究科 大西一成准教授:
炭素であるとか硫黄成分であるとか、そういったものが付いています。
黄砂が与える体への影響には次のようなものがあります。
≪アレルギー症状≫
・目のかゆみ 結膜炎 鼻水 くしゃみ
・皮膚の炎症によるかゆみ
≪呼吸器疾患≫
・せきやたんが出る
皮膚炎は、黄砂に付着するニッケルによる金属アレルギーが原因とされています。
大西一成准教授:
黄砂自身にもニッケルが含まれているんですけども、そこにプラスして工業地帯のニッケルを付着させて飛来してくる。そして肌への影響が確認されています。かゆみが出たり赤くなった湿疹ができたりということもあります。
恵俊彰:
これ本来金属アレルギーなんですか?
大西一成准教授:
そうですね。金属アレルギーを持っている方が黄砂の日に強く皮膚症状が出ているのを確認しています。