「旧統一会問題」岸田総理が関係閣僚を招集し、文科大臣に対し質問権の行使を指示しました。「質問権行使」とは?そして、「解散命令」請求はあるのでしょうか?スタジオで詳しく見ていきます。
■強制力がない、質問権行使。どこまで踏み込めるか?
ホラン千秋キャスター:
旧統一教会に対して宗教法人法に基づく調査を実施すると表明です。
井上貴博キャスター:
質問権行使、大きな一歩と言われていますが、強制力がない。
その中でどこまで踏み込めるでしょうか?
総理は大臣に対し質問権の行使を指示しました。今日の国会でのやり取りを見ていきます。

▼消費者庁「霊感商法等の悪質商法への対策検討会」旧統一教会についての提言
・社会的に看過できない深刻な問題が指摘されている
・解散命令請求も視野に入れ
宗教法人法 第78条の2に基づく
報告徴収および質問の権限を行使する必要がある

このような流れを受ける形で今日、岸田総理は
「(合同電話相談窓口に)衆議院予算委員会で金銭トラブルから心の健康に関するものまで1700件以上の相談が寄せられている。こうした状況を踏まえ、報告徴収、質問権の行使に向けた手続きを進める必要がある」
この消費者庁の提言が一つ大きかったというのも言えるかもしれません。
では、この法律上はどういう条文、どういう解釈がなされているのか、抜粋してみます。
宗教法人法という法律、その一部です。

▼宗教法人法 第78条の2 報告及び質問に関する権限
解散命令の事由などに該当する疑いがあると認められるときに
宗教法人法の規定に従って行使すべきもの。
これが、質問権です。これまで一度たりとも行使された例はありませんつまり、質問権を行使するということは解散命令、これに該当する疑いがあると認められている。ですのでニュースなどでは今日は解散命令を視野に動き出した。そういった枕詞が付けられています。

お話を伺ったのが九州大学法学部の南野教授です。
「宗教法人法この法律上の質問権というのは極めて限定的で弱い権限」というご指摘です。

例えば犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないとしています。ということは、警察のような捜査、押収などをすることはできません。あくまでも団体に質問を投げる、それに応じてもらう。ですのでこの団体に対して、ある種、強制的に立ち入りることなどもできません。立ち入る場合はその団体の許可が必要になるということで、かなり弱いものである。

加えて、質問権行使にあたり、宗教法人審議会に意見を求め、質問を作るというところから始めなければなりません。質問を投げかける前に、質問を作る上でこの審議会に意見を求める。この審議会は年に一、二度を通常行われているものなんだそうです。実態解明に繋がる質問をスピーディーに作ることができるかは未知数であると。
今日、国会では大臣はこのあたりの質問、行使に関しては年内、早い段階で行いたいとはしているものの、どこまでスピーディーに行っていけるのか。














