長年不漁が続いているサンマ。きょう始まった国際会議では漁獲枠を10%減らす案が検討されていますが、専門家からは「甘い」との声も…。
買い物客で賑わう、都内の鮮魚店。特に今シーズンのブリは豊漁で、去年より3割近く安いといいます。
一方、こんな声も。
客
「ひじきとわかめだけ買いました。エビとかも高いし、サケも以前より高いなと思いますね」
水揚げ量の減少などから、価格が上がる水産物が増加。店長も不漁を肌で感じていると話します。
中島水産株式会社 前里芳樹チーフ
「イカでしたらスルメイカ。青魚ですとマサバが例年に比べるとさらにお値段が上がっている。魚が獲れていないのが一番の原因ですね」
また、店長がここ数年の変化を強く感じるのが庶民の味、サンマです。
中島水産株式会社 前里芳樹チーフ
「一度サンマは本当にすごく減って、例年サイズは小さくなってきている」
こうした事態をうけ、きょうからサンマの資源管理を話し合う国際会議が始まりました。
会議には日本や中国、台湾など9つの国と地域が参加。資源量が減少傾向となっていることから、漁獲枠を10%減らす案を議論する見通しです。
ただ、おととしの水揚げ量は各国合わせてもおよそ11万8000トン。今回、仮に漁獲枠を10%減らしておよそ20万トンになっても、漁獲枠が実際の水揚げ量を上回る可能性が高いのです。
そのため、専門家は“取り放題”の状況は変わらないと警鐘を鳴らします。
Fisk Japan 片野歩 代表
「漁獲枠が減ってること自体、私は評価してる。ただ、漁獲枠の削減が甘すぎて、結果的にはその枠としてまだ機能してない。持続可能なサンマ資源ということに照らし合わせると(漁獲枠が)大きすぎる」
政府は、かつてはマグロやスルメイカなど8種類に限定していた水揚げ量を制限する魚の種類を大幅に拡大。今年はブリを加えるなどし、現在は28種類に増やしています。
ただ、漁業者への配慮から多くの魚種で厳しい制限にはなっていないのが実情で、今後、実効性が伴うものになるかが問われそうです。
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