人手不足の解消の切り札にと期待されるのが産業用ロボットです。
この分野に挑み、成長を続ける信州の企業を取材しました。

長野県坂城町で21日に開かれたのはロボット祭り。

ロボットの解体ショーなどユニークな仕掛けで来場者を楽しませるのは、町内で産業用ロボットを製造する「フレアオリジナル」です。

田中陽一郎社長:「工場とかの生産設備とかに使われるロボットです」

産業用ロボットは縦横斜めなど3つの軸以上の多彩な動きが可能で、プログラミングによって様々な動作を自動に行えます。

主に製造業などで導入され人にかわって溶接や塗装、組み立て、加工など多種多様な作業を担います。

国際ロボット連盟によりますと、日本は産業用ロボットの生産大国で市場シェアは中国に次いで世界2位を誇ります。

創業14年目を迎えた「フレアオリジナル」には社員12人が所属。
全国に顧客をもち、24年度の売上高は過去最高を更新して4億円余りとなりました。

田中陽一郎社長:「コーヒーをもつ手の代わりとミルクを持つ手の代わりで両方動いてラテのアートを作ります。4種類の(絵柄を)選んで作れるようになっている機械です。ロボットで毎回同じ動きになるので、一回決めた絵柄を必ず再現できる、ラテアートの職人がいなくても作れる」

ロボットが滑らかな動作でミルクをコーヒーに回し入れていくと、見事なハート型のラテアートが出来上がりました。

田中陽一郎社長:「これはゲームコントローラーで動くように作っていて」

アームはメーカーから仕入れていますが、手にあたる部分につけるパーツを自社で製造したり既製品と組み合わせたりして、プログラミングを施すことで、顧客の様々な要望にこたえる様々なロボットを作り出しています。

「フレアオリジナル」が力を入れるのが協働ロボットです。

人と同じスペースを共有しながら一緒に作業できるよう設計されています。

田中陽一郎社長:「普通の産業用ロボットだと例えば壁とかあると挟まれてケガするようなことあるんですけど、協働ロボットだと当たるとロボットの方で当たったなというのがわかって止まってくれるんですよ。普通の産業用だと安全柵を囲って入らないようにしちゃうんですけどこれだったら安全柵なくても使えたりとか」

安全性や省スペースといった特性から中小企業でも導入が可能となり、人手不足の解消などにもつながると期待が寄せられています。

2月に県内の機械製造業から転職した塚田朋央(ともひさ)さん。
現在はプログラミングとSNSによるロボット製造の魅力の発信に力を入れています。

塚田朋央さん:「少子高齢化ということで製造業って今労働市場からすごく価値が低く見積もられていて製造業に行きたがる人もいない。余計に人材不足に陥っている面もあってそういうこところからロボットのニーズは年々高まってきている。製造業に対するイメージの向上であったり製造業に就職したいという人口の増加に貢献していきたいなと考えています」

産業用ロボットで製造業の未来を切り開く。
フレアオリジナルの挑戦が続きます。