“敵性外国人法”発動に非難

トランプ大統領は15日、アメリカがベネズエラのギャングによる侵略などの脅威にさらされているとして、「敵性外国人法」を活用。ベネズエラから不法に入国したギャングのメンバーを強制送還すると発表していました。

「敵性外国人法」は、戦時下で敵対する国の市民を拘束したり、送還したりできる権限を大統領に与えていて、第2次世界大戦中には、日系アメリカ人を強制収容するために使われました。

ただ、今回の措置に対し裁判所が暫定的な差し止めを命じましたが、政権側は応じなかった形です。

記者
「『敵性外国人法』は、これまで3回しか発動されたことがない、それはいずれも戦時中でした。現状での使用は適切と考えますか?」 

アメリカ トランプ大統領
「今は戦時中だよ。バイデンが何百万の人を入国させ、その中には多くの凶悪犯が含まれているからだ」

エルサルバドルのブケレ大統領はアメリカの裁判所の命令に対し、SNSで「あら、手遅れだ」と投稿しました。

一方、日系アメリカ人の強制収容所の歴史を伝えるロサンゼルスの全米日系人博物館は15日、「敵性外国人法はその文言通り、差別的なものである」と非難する声明を発表しました。

その上で、「博物館はこのようなことが決して繰り返されてはならないとの誓いのもと設立されたが、この誓いが脅かされている」と警鐘を鳴らしています。