アメリカ・トランプ大統領の関税などをめぐる発言に戦々恐々とする世界各国。トランプ政権は日本についても、たびたび言及していますが、その発言に「間違い」が相次いでいます。

13日、訪問先のカナダでアメリカのルビオ国務長官と会談した岩屋外務大臣。

岩屋毅 外務大臣
「我が国が除外されない形で追加関税が賦課されたということについて、遺憾の意を伝えさせていただきました」

「相互関税」や自動車への関税について、日本を対象から外すよう改めて求めました。

関税などをめぐり、トランプ政権は日本をたびたび名指しで批判していますが…

記者
「連日、大量の情報を発信しているトランプ政権ですが、今月は日本に関連した『間違い』が目につきます」

12日のホワイトハウス・レビット報道官の発言では…

ホワイトハウス レビット報道官
「日本のビール会社『アサヒ』がトランプ大統領による鉄鋼・アルミの25%関税に対応し、ウィスコンシン州に製造拠点を移し、投資すると発表したのを見ました」

この発言について、アサヒグループホールディングスは…

アサヒグループHD
「事実とは異なります。関税政策に対応して製造拠点を移転したのではなく、あくまでも従来の計画として現地生産を予定しておりました」

JNNの取材に対し、きっぱりと否定しました。

レビット氏は「ウォール・ストリート・ジャーナル」の「トランプ大統領の関税政策でアサヒがアメリカへの投資拡大」という見出しの記事に触れたようですが、記事も「製造拠点を移す」とは伝えていません。

トランプ大統領自身も日本企業をめぐり、「間違った」発言をしています。

アメリカ トランプ大統領
「多くの自動車メーカーがアメリカに大規模な工場を建設すると発表している。ホンダはインディアナ州に世界最大級の新工場を建設すると発表したばかりだ」

「ホンダが新工場の建設を発表した」と述べましたが…

ホンダ
「現在、稼働しているインディアナ工場はアメリカの主力工場の1つで、引き続きアメリカの需要に応えていきます」

ホンダは「新工場を作る」と発表していませんでした。

ロイター通信が、ホンダが「シビック」の次世代モデルの生産拠点を予定していたメキシコからインディアナ州に変更すると伝えていて、これを間違って解釈した可能性があります。

さらに日本の関税をめぐる「間違い」も…

ホワイトハウス レビット報道官
「日本はコメに700%の関税を課している」

日本は輸入するコメに一定の無関税枠を設けたうえで、1キロあたり341円の関税を課していて、「関税率700%」という発言は根拠を欠いています。

JNNは一連の発言について、ホワイトハウスにコメントを求めましたが、回答は得られていません。