スギ花粉の飛散がピークを迎える今、『花粉爆発』のしくみ、対策について日本医科大学大学院 耳鼻咽喉科の大久保公裕教授に聞きます。

スギ花粉の飛散 1985年の統計開始以来『最も早い』

皆川玲奈アナウンサー:
今年は統計開始以来最も早くスギ花粉が飛んでいます。10年間の飛散傾向をまとめたものですが、3月17日ごろがピークになりますか?

日本医科大学大学院 耳鼻咽喉科 大久保公裕教授:
実際は6日あたりはそんなに飛んでいないですね。寒くてピークの高さが例年よりも高くなるという可能性はあります。(今年は)寒かったので、花粉が最初の方は少なかったんですけど、きょう(7日)あたりから風が強くなっている。
雨が降った後に春一番が吹いた場合、雨の後に落ちた花粉が全部舞うので、来週(9日〜)が一番のピークになってくる可能性があります。

雨のあとは『花粉爆発』に要注意?!

恵俊彰:
雨のあとは、なぜそんなに花粉が舞うことになるんですか?

雨のあとは“花粉爆発”という現象が起きます。
雨で花粉が地面に落ちることにより花粉が爆発し、その中から粒子がどんどん出てきます。

大久保公裕教授:
花粉というのは乾燥しているからたくさん飛ぶんです。
水分が入ると花粉が割れるんです。そうすると、殻の成分と中から出た成分両方とも体に反応してしまう。

恵俊彰:
殻が割れて中から出てくる。

大久保公裕教授:
それで全部下に落ちちゃうんです。

恵俊彰:
それが花粉爆発なんだ

殻も中の粒子も人や車に踏まれてどんどん細かくなり、それが雨のあと風が強い日に舞って私たちにダメージを与えるということです。

恵俊彰:
雨が降ってるから大丈夫だとずっと思ってました。ちょっと落ち着いて花粉が抑えられてると思ってましたけどそうじゃなくて、雨の日は花粉爆発の状態でどんどん増えてて、次の日晴れるとそれが一気にワッと来る。

大久保公裕教授:
それで症状が一気に悪化するということになります。

粒子の大きさを比較してみます。
髪の毛の太さが約70~80㎛、それに対してスギ花粉は約20~30㎛、花粉爆発によって砕けた花粉は約1㎛。

大久保教授によると、「上京して花粉症を発症する人が多いのは、都市部で花粉爆発が多いことが影響しているのではないか」ということです。

恵俊彰:
都市部はコンクリートだから?

大久保公裕教授:
そういうことです。普通だとスギの木が生えてる所ってコンクリートではなく土ですよね。
ですから土に(花粉が)戻るんです。ところが都会は土に戻れない、コンクリートの上で破砕されてそれが舞う。夜間でも交通量が多い所は、落ちた花粉が舞っているんですよ。

恵俊彰:
最終的には無くなるんですか?

大久保公裕教授:
水で全部側溝とかに流れていくんだと思ってます。