約1キロ離れた場所に「工場」

安来市 総務課 吉原秀和さん
「学校でなければ、市役所の方で鳴らすこともありませんので、例えば工場とかではないでしょうか」

確かに小学校から約1キロ離れた場所には、自動車部品などに用いる特殊鋼の製造・加工などを行う「日立金属安来工場」があります。


工場を訪ねて、ずばり聞いてみました。
この工場で深夜にチャイムを鳴らしていますか?

日立金属安来工場総務課 江藤英司 課長 
「あ、それは私どもですね。こちらの安来工場の方でチャイムを鳴らしています。おそらく学校では鳴らさないと思いますので、間違いなく工場で鳴らしているチャイムです」

深夜のチャイムの正体は、学校でも幽霊でもなく、工場でした。
しかし、なぜ深夜にチャイムを?


日立金属安来工場総務課 江藤英司 課長 
「基本的に工場は24時間稼働しています。なので昼間働く方と夜働く方と2交代で勤務しています。大きな製造機械の音が出たりするので、始業の時間や終業の時間を夜勤の方に知らせる必要がありますので、チャイムで知らせています」


深夜にチャイムが鳴った際の工場内の様子です。
チャイムと同時に休憩を終えた従業員が集まり、掛け声とともに持ち場に戻ってきました。
「無理なく無駄なく確実に。相互注意できょうも1日安全作業ヨシ!」

日立金属安来工場の従業員数は約1800人。
機械の音で、従業員が始業や終業に気付けないことを防ぐため、昼夜を問わずチャイムを鳴らしているといいます。


スピーカーを下に向けるなど騒音対策を施していますが、風向きによって、住宅街でも聞こえたり聞こえなかったりする日があるため、逆に謎を呼んでいるのでは、ということです。


また、このチャイムがいつ頃から鳴らされているか、今回担当者が工場のOBなどに確認したところ、「少なくとも半世紀以上前」から鳴っているということです。

日立金属安来工場総務課 江藤英司 課長 
「地域の住民の皆さんにご迷惑をおかけしないように、スピーカーの方向や音の大きさに気を使いながらやっています。夜も働いている人がいるんだなということで、温かく見守っていただければありがたいです」

深夜に聞こえる謎のチャイム。
その正体は、ハガネのまち安来で、夜も頑張って働く人たちのための合図でした。