2019年、東京消防庁の男性消防司令が自殺し、その上司が懲戒処分を受けた問題で、男性消防司令の死は民間企業の「労災」に相当する「公務災害」として認定されていたことが分かりました。
当時、東京・新宿区の牛込消防署に勤務していた男性消防司令(当時47)は2019年12月に自宅で死亡しました。
その後、「男性消防司令はパワハラを受けていた」という内部通報があり、東京消防庁は2020年3月、上司の元署長(当時56)に対し、「威圧的な雰囲気ととらえられる不適切な指示を行い、職場の秩序を著しく乱した」として「戒告」の懲戒処分を行い、元署長は依願退職しました。
男性消防司令の妻は2020年3月の取材に対し…
男性消防司令の妻
「(夫が)『ひとつの案件を署長に持って行くと、倍になって返ってくる。それを直して持って行くと、また直しが入るので終わらない。仕事が終わらないので寝られない』と言っていました。遺書がないので、真実を語ることができない。悔しくて無念でしょうがないです。東京消防庁が大好きで、『本当に人の役に立ちたい。火災からみんなの命を守る仕事がしたい』って言っていました」
その後の遺族への取材で、2022年3月に「地方公務員災害補償基金東京都支部」が男性消防司令の死を民間企業の「労災」に相当する「公務災害」に認定していたことが分かりました。
男性消防司令が日常業務から何らかの影響を受け、自ら命を絶ったと判断したとみられ、東京消防庁は、▼「真摯に受けとめ、管理監督体制を強化する」▼「相談窓口を設置するなど、時勢に則したハラスメント教育を徹底し継続していきます」とコメントしています。
一方、男性消防司令の死から3年間で、東京消防庁はあわせて3件のパワハラ行為に対する懲戒処分を発表していて、パワハラを根絶できない理由を「消防活動は人命に直結するため失敗が許容されにくい環境が挙げられる」としています。
2022年10月13日、東京・千代田区にある「弥生慰霊堂」で小雨が降る中、警察や消防の「殉職者」を慰霊する式典が行われ、男性消防司令の妻は遺族として招かれました。
妻は取材に対し、「公務災害が認められ、やっと前を向いて歩くことができます。主人は自分の仕事に誇りを持ち、人の為に尽力してきました。上司部下問わず慕われていた人でした。主人の死が無駄にならないように、再発防止に努めて頂きたいと、心から願っております」とコメントしています。
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