米沢市の(株)東屋(資本金1000万円、米沢市関1537、代表宍戸康裕氏、従業員4 名)は、2月28 日に山形地裁米沢支部より破産手続き開始決定を受けた。

財産状況報告集会期日は6月5日午前11時。

帝国データバンクによると、東屋は、1983年(昭和58年)3月に設立され、白布温泉で温泉旅館「東屋」を経営していた。

約300年前に建築された歴史のある温泉旅館であったが、2000年(平成12年)3月25日には隣家からの出火で類焼。江戸時代からのかやぶき屋根の建物は消失したが、2001年(平成13年)9月に約3億円の資金を投下して旅館を再建。2004年(平成16年)10月期には年収入高約2億900万円を計上していた。

しかし、東日本大震災の風評被害や新型コロナウイルス感染拡大の影響などで、収入高は大きく減少。2024年(令和6年)年10月期は年収入高約8400万円に対して、当期純損失約1000万円を計上していた。

厳しい資金繰りが続くなか、旅館再建時の設備投資負担も重く、自力での事業継続が困難となり、2025年(令和7年)1月に事業を第三者に譲渡して、事業を停止していた。

負債は、2024年(令和6年)10月期末時点で約2億5900万円だが、変動している可能性がある。

なお、温泉旅館「東屋」は譲渡を受けた企業により営業を継続している。