現場で活躍する女性「特別扱いしてもらいたくない」」

 セミナーでは建設業界で活躍する女性によるパネルディスカッションも行われました。登壇した浅津星亜さんは、塗装の全国大会に出場した経験もある若手のホープです。

「現場では男性が気を遣ってペンキの一斗缶などを持ってくれるけど、実はあまりうれしくない。女性だからといって特別扱いしてもらいたくない」とやる気に満ちています。

 浅津さんが所属する佐藤興業株式会社は、令和5年度の「東京都女性活躍推進大賞」を受賞しています。社長の佐藤東平さんは「性別で門戸を閉ざさない」という方針を掲げていて、男性社員に「生理痛体験研修」を行ったこともあります。
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 女性社員が増えてくる中、生理痛で体調がすぐれないことを男性の管理職や佐藤さん自身が理解しなければと考えたからでしたが、それ以上に、そのとき参加した女性社員の話から生理痛に個人差があることや、言いにくい環境があることも知り、対話によってさらにお互いの理解が深まることを体感しました。

 塗装の仕事と一口に言っても、職人や施工管理など様々な種類があり、現場も一般住宅、ランドマークになる大きな建物、テーマパークなどそれぞれで要求される能力も違います。

 佐藤さんは「だからこそ男女に限らず、ハンディキャップを持っていたり、外国人であったり、マイノリティと呼ばれる人たちであったり、みんなと一緒に各々の個性を生かし合える環境を作っていきたい」と意気込んでいます。