セミナーの責任者「女性活躍について勉強」
セミナーの責任者である日本塗装工業会普及委員会の片桐久委員長は「セミナーを実施することで、われわれも女性活躍について勉強させていただいている」と話します。
実は初めのころはセミナーを委託した会社に丸投げ状態で、普及委員たちの当事者意識はとても低かったといいます。
すると美容講座を請け負っている化粧品会社の担当者から「私たちはお客様を迎える精神で取り組んでいる。みなさんも同じ精神をもってほしい」と叱られてしまいました。
しかしそれが片桐さんたちにとって大きな気づきをもたらし、女性活躍についてみんなで考え、回を重ねるごとに理解を深めていったそうです。
「『えるぼし』や『くるみん』という言葉もセミナーをするまで知りませんでした。今は自分もちょっと成長できているって思います」と、片桐さんははにかんだ笑顔を見せました。
副委員長の西田政文さんも手ごたえを感じています。
セミナーをきっかけに、自身が経営する会社でも女性社員の話によく耳を傾けるようになったそうです。
その結果、女性に限らず会社そのものの風通しがよくなり、仕事の効率もあがり、社内にはチームとして会社を守っていこうという機運が生まれました。
例えば、事務職の女性が現場の職人の管理などにも気を配りしはじめ、その細やかさに社長自身も助けられ、従業員たちもトップダウンを待つのではなく自発的に動くようになったそうです。
それはセミナーを通して「ひとりひとりを認めて受け入れあうことに気づかされた」からだと西田さんは分析しています。
まさにダイバーシティの実践そのものと言える社長の変化が会社に良い影響を及ぼしているようです。