人手不足で期待 建設業界に進出する

 2月15日に神奈川県横浜市で開催された「けんせつ女子ビューティーセミナー」。建設業界で働く、または働きたいと思っている女性たち46人が参加し、肌の乾燥対策や旬のメイク情報、ダイバーシティやキャリアの講座、来場者同士のディスカッションなどで親睦を深めました。
 
 このセミナーを企画したのは、全国約2300社の塗装会社でつくる日本塗装工業会。建設業界も女性に活躍してもらいたいと、女性同士のネットワーク構築や意欲喚起を図る場として2021年からセミナーを続けていて、今回で9回目です。

 日本では少子高齢化や人口減少による人手不足が深刻化、女性の労働参加が切実に期待されるようになっています。しかし、これまでの男性を中心としたやり方の踏襲では女性は活躍できず、職場には「環境」や「意識」の変化が求められています。

 長らく「ガテン系」と呼ばれてきた男性職場の建設業界も例外ではなく、遅まきながら女性を職場に受け入れるための対策を始めています。

 国土交通省によると、建設業の技能者のうち60歳以上の割合が約4分の1を占める一方、29歳以下は全体の約12%で、将来の担い手確保が急務とされています。

 日本塗装工業会においては、令和5年に行った実態調査で、技能者の60歳以上の割合は約6分の1、29歳以下は20%程度と、建設業界全体に比べるとやや若手の割合は高くなっていますが、じゅうぶんな数字ではありません。

 日本塗装工業会では、どうすれば担い手不足を解消できるかを考えたところ、技能者1万5000人あまりの中に女性が約700人いることに着目し、もっと女性を塗装業界に招き入れたいと考えました。
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 取材したセミナーでもっとも印象に残ったのは、この会を主宰している日本塗装工業会の男性リーダーたちが涙ぐましいほど一生懸命に参加した女性たちをもてなそうとする姿でした。

 セミナーの最後には全国の支部の代表者たちが持ち寄った地元の名産品や高級ブランド品を用意して抽選会を開き、参加した女性たちは思わぬプレゼントに歓声をあげていました。