山形県酒田市では集落に春を告げる行事「でごぐり百万遍念仏(ひゃくまんべんねんぶつ)」が行われ、地域住民は一年の健康と豊作を願いました。
でごぐり百万遍念仏はおよそ2メートルの綱10本を円状につなぎ合わせたものを数珠にみたて、家内安全や五穀豊穣を願う地域に伝わる伝統行事です。


酒田市坂本地区 長堀麗仁さん「いよいよ冬が終わって春が始まる。これから農作業が始まる変わり目の気持ち」

地域に伝わる行事を続けていきたいと話す長堀さん。
かつては25世帯ほどあったという坂本地区は、現在は5世帯と住民が少なくなっています。

きょうはとなりの集落の住民も参加して、念仏をとなえながら綱を床に打ち付け祈りを捧げました。
地区の児童「叩くところが楽しい。来年中学生になるから勉強がんばれるようにしたい」

地区の人「望むとか何が欲しいじゃなくて、みんなが集まる行事が続けばいい」

隣の地区の人「今年初めてです。非常に新鮮です。地元の貴重な文化遺産ですので継続できれば」

終盤には参加者の首に丸めた綱をかけ始めます。
これはその昔、意中の相手に好きだと伝える行為で男女交際のキッカケになったそうです。

形を変えながら地域に伝わる伝統行事。
参加者は互いに顔を見合わせ、地域の絆を確かめ合っていました。