外国人の命を犠牲に戦闘続けるロシア
私たちが取材したこの日、タマンさんはロシアに入国させられたきっかけとなった斡旋業者の事務所に向かいました。

だまし取られた代金を取り戻すため、警察などとともに事務所内を探すとタマンさんからの入金を記録した帳簿が見つかりました。事務所にいた若い男性を問い詰めると…

事務所にいた男性
「私は何も知りません」
タマンさんの協力者
「これは人身売買として扱われる。被害者がここにいるからな」
代表者に電話をかけさせましたが、音信不通。地方に逃げた可能性が高いといいます。

騙されて戦地の最前線で戦わされる人身売買の被害者。タマンさんは帰国することができましたが、一緒にロシア軍に雇われた友人、ディネシュ・ライさんは亡くなったとみられています。
今も息子の帰国を待ち続ける両親は、息子からの最後の電話が忘れられないと話します。

ロシア軍に参加させられた ライさんの母親
「『僕は1年半後には戻ってくるから、この番号には電話したりメッセージを送ったりしないでね』と言っていました。それ以来、連絡は途絶えました。最後に家を出た日、息子は急いでいたからちゃんとご飯を食べさせることもできなかった」
ロシアのウクライナ侵攻は、それぞれの国の兵士だけでなく、多くの外国人の命も奪っているのです。