3月、新生活の準備も始まる頃ですが、いま社会人でもいわゆる「スーツ」を買わない人が増えています。問題は「コスパ」なんだそうです。

きょう都内で開かれたユニクロの新社会人向け商品発表会。ずらっと並ぶのは一見、普通のスーツですが…

ユニクロ 勝田幸宏 グループ上席執行役員
「やっぱり超伸縮性あるんで、ゴルフ場で走っています」

いわゆる「カジュアルスーツ」です。伸縮性・速乾性が高く、自宅でも洗濯が可能なポリエステル素材。いま人気が高まっているそのワケは。

ユニクロ 勝田幸宏 グループ上席執行役員
「なかなか自分の着る物にお金をかける余力がない方もいる。2~3着トップスとボトムスを持っているだけで、月曜日~日曜日まで着られる」

実際、「ビジネススーツ」への年間支出額は20年で半分以下に。去年は4000円を割りました。

毎日スーツ着用
「昔は2~3万円あれば1着買えたが、今は4~5万円するものも増えてきた。もう買えないです」

たまにスーツ着用
「スーツは1年に数回ぐらいしか着ない。それこそ1年ぶりに引っ張り出してきたら、きつい」

大学2年生
「綺麗めだけど、カジュアルくらいがいいかなと」

かつてスーツは“サラリーマンの戦闘服”と言われ、会社員にとって必需品でした。バブル崩壊後もスーツの需要自体は高いまま。

しかし、コロナ禍以降の働き方の変化に加え、物価高の影響でスーツにも“コスパ”を求める人が増えているのです。

スーツ業界の変化は最大手にも広がっています。

記者
「こちら上下一体となっているコンビネゾンという服なのですが、ビジネスはもちろん、お休みの日でも着られそうな楽な着心地です」

洋服の青山は、先月から創業以来初めて「コンビネゾン」の販売を開始。価格はジャケットもついて平均的なビジネススーツより4割安い、およそ2万2000円です。

青山商事 商品部 高井さやマネジャー
「スーツだけではなく、ビジネス・カジュアルでも使いやすい、汎用性の高いタイパ・コスパのいいアイテムを最近はたくさん作っています」

いま消えつつある「仕事にしか着ない服」。新生活で揃えるものにも変化が訪れています。