高知県南国市に残る戦時中の飛行機の格納庫=掩体(えんたい)の調査を南国市教育委員会が行い、その調査結果が発表されました。

「掩体」とは、太平洋戦争時高知海軍航空隊の飛行機を爆撃や機銃掃射などから守るための格納庫です。現在、高知龍馬空港の南側に鉄筋コンクリート製の7基が残っていて、前浜掩体群(まえはまえんたいぐん)と呼ばれています。

この7基のうち幅44.5メートル奥行き23.9メートルと最も大きい4号掩体の調査を南国市教育委員会が2025年1月から2月にかけて行いました。南国市教育委員会によりますと今回の調査で4号掩体の床面はほぼ平らであることが確認されました。これは他の掩体とは異なる特徴で、4号掩体がただ大きいだけでなく、様々な飛行機の出し入れをしやすくするため意図して床面を平らに造った可能性があるといいます。

また、掩体のアーチ部分を支える基礎の部分には木製の型枠を使った跡が残っていて、4号掩体の建築過程や構造を確認できたということです。

(南国市教育委員会 岡上萌子さん)
「この成果を3D(データ)にもとったが、成果を発表していくことで平和の大切さを伝えられるようにしたいと思う」

南国市教育委員会は今回得られたデータを残していくことで、掩体の補修などにもつなげたいとしています。