筑紫哲也さんのDNAを引き継ぐ
「報道実務家フォーラム in 九州2025」ではほかに「ネット上で攻撃された時にどう対応するか」というテーマがありました。琉球新報の南彰記者と、沖縄タイムスの阿部岳記者が対談しました。
【南彰(みなみ・あきら)】
琉球新報記者・編集委員。1979年、神奈川県生まれ。2002年、朝日新聞社に入社し、2008年から東京政治部・大阪社会部で政治取材を担当。2018年9月から2年間、新聞労連委員長・日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)議長を務める。2023年10月、朝日新聞を退職。同年11月から琉球新報で記者・編集委員。著書に『絶望からの新聞論』(地平社、2024年)など。
【阿部岳(あべ・たかし)】
沖縄タイムス編集委員。1974年東京都生まれ。1997年沖縄タイムス入社。主に差別や基地の問題を取材する。著書『ルポ沖縄国家の暴力米軍新基地建設と「高江165日」の真実』(朝日文庫)、三浦英之氏との共著『フェンスとバリケード福島と沖縄抵抗するジャーナリズムの現場から』(朝日新聞出版)。

ここで、ジャーナリストの筑紫哲也さん(1935~2008年)が、TBSテレビ『筑紫哲也NEWS23』最後の出演となった、2008年3月28日の放送で話した「『NEWS23』のDNA」が紹介されました。
【「NEWS23」のDNA】
・力の強いもの、大きな権力に対する監視の役を果たそうとすること
・とかく一つの方向に流れやすいこの国で、少数派であることを恐れないこと
・多様な意見や立場を登場させることで、この社会に自由の気風を保つこと
この言葉はメディアにいる人間全員が共有すべきものだ、と私は思っています。会場には若い人たちもいっぱいいたので、この言葉が挙がったのはよかったです。
攻撃されやすくなっている記者たちが、どう前向きに頑張っていくか。少数派であることを恐れずに、役割をしっかり果たそう。僕らの心を励ましてくれるイベントだったと思います。
◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)
1967年生まれ。1991年、毎日新聞入社直後に雲仙噴火災害に遭遇。2005年にRKBに転職。2009~2012年、報道部長。やまゆり園事件やヘイトスピーチを題材にした映画『リリアンの揺りかご』(2024年)は、各種プラットフォームでレンタル視聴可。ドキュメンタリー最新作のラジオ『一緒に住んだら、もう家族~「子どもの村」の一軒家~』(2025年)は、ポッドキャストで無料公開中。