元メンバーが語る逃走経路
1975年5月、状況が一変する。テレビのニュースで3グループ8人の一斉逮捕を知った。宇賀神氏は、すぐに桐島容疑者のもとへ向かったという。
宇賀神氏
「桐島のアパートに行って、ここも危ないということで(アパートを)出て」

2人は捜査の手が及ぶことを恐れ、互いのアパートを見張り合った。
宇賀神氏
「桐島のアパートには(捜査員が)誰もいなかった。私のアパートに桐島が行ったときには、白い手袋をはめた連中が10人前後いたようです」
50年前、2人が逃走に到った経緯を宇賀神氏が語った。
宇賀神氏
「歩いているうちについてくる2人がいて、『タクシーで新宿まで出るぞ』と。芝生の上でごろ寝しながら『俺たちは一体どうしたらいいんだ』と」
安宿を転々とする間、宇賀神氏は桐島容疑者の長髪にハサミを入れたという。
宇賀神氏
「髪を切ればわからないだろうと。横滑りしちゃうんだよ刃が。ざんぎり頭に短くしてあげて」
自らの指名手配を新聞で知り、2人は別れて逃亡することを決めた。

宇賀神氏
「慌てたね。一緒にいるのはまずいので、一旦別れて逃げようと、再び会おうと」
再会を約束したが、宇賀神氏は7年後に逮捕され、懲役18年の判決を受けた。一方、桐島容疑者は逃亡を続けていた。