「東アジア反日武装戦線」とは

1974年、東京・丸の内のオフィス街で時限爆弾が炸裂した。8人が死亡、380人が重軽傷を負った戦後日本最悪の爆弾テロ「三菱重工爆破事件」だ。

過激派「東アジア反日武装戦線」・「狼」は、「侵略企業・植民者に対する攻撃」だと犯行声明を出した。一般人を無差別に巻き込んだテロ事件に、社会は震撼した。

事件後、「東アジア反日武装戦線」には「大地の牙」と「さそり」という2つのグループが加わった。単独で、あるいは3グループ共同で、合わせて12件の爆破事件を起こした。

「大地の牙」元メンバーの女性は懲役20年の実刑判決を受け、2017年に刑務所を出所した。

女性のグループは、けが人を出さないよう爆破計画を立てたという。

「大地の牙」元メンバーの女性(70代)
「三菱の失敗を克服するんだから、絶対けが人を出しちゃいけない」

自らが実行した爆破事件で、16人に重軽傷を負わせたことを悔やんでいるという。

「大地の牙」元メンバーの女性
「武器とか、そういうものを使って何か目的を達成するとか、それ自体が間違いだった」

桐島容疑者が所属した「さそり」も被害者を出さない方針だったが、1975年、桐島容疑者が設置した爆弾で男性が重傷を負った。

事件後、“桐島容疑者は激しく動揺していた”と語るのは、「さそり」の元メンバー・宇賀神寿一氏だ。

宇賀神寿一氏(72)
「(桐島は)『なんてことをしてしまったんだ』っていう思いが表情に出ていましたね。『取り返しのつかないことをしてしまった』と」