ミャンマー特殊詐欺拠点「日本の複数の犯罪グループ関与」

実際、私たちが別の詐欺拠点とみられる場所を取材すると…

記者
「監視するための小屋のような建物があって、その中には武装組織の戦闘員とみられる人の姿も見えます」

カメラマン
「あ、銃を持ってきましたね」

こうしたミャンマーの武装勢力を、犯罪集団が雇って警備をしてもらっているとみられています。

一方で、ミャンマーの武装勢力「国境警備隊」は、中国政府やタイ政府からの圧力を受け、一転、詐欺拠点を「一掃する」と宣言。24日までに、複数の詐欺拠点から外国人7000人以上が解放されました。外国人の国籍はさまざまで…

解放された外国人ら
「中国籍の人たち聞いて。家に帰りたい人?」
「はい」

「インド人、家に帰りたいか?」
「YES」

タイ警察の幹部は、この中に「日本人は含まれていない」とした上で、このように話します。

タイ警察幹部
「日本の複数の犯罪グループが詐欺に関与していて、その数は20人ぐらいだろう」

中国系の犯罪集団が支配しているとみられるミャンマーの詐欺拠点ですが、その一部に日本の複数の犯罪グループが関与しているというのです。こうした中…

これは、24日に詐欺拠点から逃げ出してきたとみられるフィリピン人の女性がその道中で撮影したもの。

川を渡ってタイ側にたどり着いた後、タイの施設で保護されました。女性らのように、詐欺拠点から自ら逃げ出す外国人も後を絶たないといいます。

解放された7000人以上の外国人について、タイのメディアは、27日にも母国に送還するために移送が再開されると報じています。

小川彩佳キャスター:
監禁されていた日本人の中には、オンラインゲームなどが入口となって関与することになってしまったという方もいるということです。

小説家 真山仁さん:
若い一般人の犯罪に対するハードルが下がっている気がする。悪いことをしているとは思っていない。SNSで全てが完結できる社会になって、社会の目の網が悪くなってしまった。

つまり「多くの人が、人が見ているからやめよう」ということが犯罪の抑止力になっていたのですが、それがなくなってしまった。

もっとたくさんの人、特に若い人たちに関心を持って欲しいなと思います。こんなところに行ってはいけないという当たり前のことを言える人が今、社会にいない気がします。

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<プロフィール>
真山仁さん
小説家「ハゲタカ」「ロッキード」など
食と農業をテーマにした「黙示」を執筆