「崩れてたかもしれない」オフ恒例のメキシコ遠征から学ぶこと
Q.今オフもメキシコに行ってたと思うんですけど、ビジネスに通じてる学びというか、メキシコに行く意味があれば教えていただけたら。
関根:メキシコでの経験は、僕にとって非常に貴重な学びの場となっています。日本では当たり前に存在するものが、メキシコでは本当に存在しないことがあります。そのような環境で、彼らは不足を受け入れ、限られた選択肢の中で工夫しながら生活しています。この姿勢から、多くのことを学ぶことができます。また、言葉の違いも大きな学びです。野球界で使われる言葉や、日常生活でお世話になっている家族が使う言葉など、さまざまな表現に触れることで、自分の引き出しが増え、価値観が広がっていくと感じています。メキシコで出会う素敵な言葉や表現に触れることが、僕にとって大きな学びとなっています。
Q.昨オフにメキシコに行っていたときは、メキシコリーグで首位打者も獲得されましたよね。
関根:去年は、個人は良かったけど、チームは駄目だった。けど今年は一時期個人もダメで、チームもダメな時期があった。ただそのときにみんながどんな言葉を使ってたのか、僕自身がふと言った言葉に対して、ちゃんと肯定してくれる言葉とか、いろんな言葉をもらって。そういうところを学んでるし、今回すごく苦しかったですけど、そのときはそのときなりの新しい言葉をもらえたりっていうところからですね。今回すごくいろんな意味で人生の学びは多かった。うまくいかなかったときも、「来年自分は絶対日本でこうなる」と思ってるところがあったから一歩踏み出せるところもあったし。それをもってなかったらあの瞬間、多分崩れてたかもしれないと思うくらいきつかったし、だからそこの言葉、言語化できていたというか。一時的なゴールじゃないけど、そこを持つことは大切だなって改めて学ぶことができました。漠然としてたらダメで、具体的に「こうする」を持ってたから、あの場面で一歩踏み出せたなとか、そのときにもらったこの言葉がよかったから一踏み出せたなとか、ビジネスとかどうこうよりはそういう人生的なところでの学びが多かったです。また技術的なことも野球ですので、今回かなりトライしたかったことがあって、それはうまくいかないこともありましたけど、最終的には整った。だから、そこはすごく大きかったですね。
Q.何かトライしたいことがあったんですね。
関根:めちゃくちゃありましたね。最後の試合でも、例えば打席の位置を大幅に変えたりとかして、最後の最後までトライしてました。「ここを変えたらいいんじゃないか」というのがバンバン出てくるので。もう僕みたいな立場だと、日本のシーズンに入ってオープン戦があって、公式戦までは、多分多くて3打席とかで見限られる。じゃあ2軍から始めましょうってなったときに、この3打席では試せないじゃないですか何も。だから僕は向こうに行って、100何十打席立って、100何十打席試すことを選択している。それがあったから最後の最終戦、変更してあの感覚をもらえたと思ってるんですけど、これが海外に行って実戦経験を選択する良い部分だと思っています。練習でどんだけ良くても、試合で結果が出るから、「練習のあの場面で俺はできてたけど試合でこうなった。ということは試合のときにはこうしないといけない」とかを実戦でやらないと僕はわからないことが多いです。だから僕は実戦をとりたい。このオフの3か月っていうものを練習だけだったら、多分今回の最後のところまで僕は行けてないので、実践を選択してよかったと思っている。それをすることによって日本のシーズンのところまでにサイクルを多く回せるのでそれをシーズンまでに整えていきたいです。

Q.具体的にトライして得たことはなんですか?
関根:まずはインパクトでのエネルギー量を増やせたこと。元々何個か仮説を持って行ってたんですけど、最終的には思ってもみなかった方法で、そこにたどり着いたって感じです。だから練習だけやってたら出なかったこと。試合の中でやって、「ああ、うまくいかないな」とかいっぱいある中で、いろんな言葉をもらって、「せっかくこっちに来てるし、メキシコの人に言われたことをやってみようかな」で、たどり着いた。だから去年の秋からずっと「絶対こうするため」って思ってやってたけど、そこの要素はあるけど、結論は全く違うところから。ゴールはそこにあったって感じです。ゴールは求めてたもの、ただ技術は違うところから借りてきたっていう感じです。あとこれをちゃんと日本のいろんなボールに対してやっていかないといけないと思うので、そこを完成させる期間にキャンプはなりました。
Q.今季の意気込みをお願いします。
関根:ただただ結果が必要で、内容が良くても3打数0安打だったらダメなので。野球の打席でいうと、いかに“H”ランプをつけるか。あと守備率100%は絶対マストだし、そこを必ずつかみとる。ゴールの数字は正直わからないですけど、試合数打席数をベイスターズで戦う素晴らしい選手たちから奪い取る。それを虎視眈々と準備します。必ずいろんな流れがあるので、その流れのところで自分が確実にとる。それをできるかどうかで、ユニフォームを脱ぐ、脱がないになってくるのかなと思います。