富山県高岡市の新年度予算案が21日発表されました。能登半島地震からの復旧・復興と大型事業が重なり一般会計では過去最大規模となりました。
高岡市の新年度当初予算案は、一般会計で、817億8300万円と前の年度より9.5パーセント増え過去最大となりました。
高岡市 角田市長
「震災からの復旧・復興を着実に進めますとともに決意と覚悟を持って市民とともに新たな一歩を踏み出す未来を拓くために勇進する予算として編成させていただきました」

歳入ではメインとなる市税収入が4.7パーセント増えおよそ270億円に。市の借金にあたる市債の発行を16.3パーセント増やしおよそ65億円としました。

歳出は投資的経費が大きく増加。過去5年間で最も多い118億円にまで膨らみました。

記者
「増加した投資的経費の背景には消防庁舎の建て替えや学校再編といった大型事業が重なったことが要因となりました」
高岡消防署の新庁舎整備が本格化します。今年度は通信指令システムの更新などに32億5800万円あまりを計上、ことし秋に完成し試験運用を経て供用が開始されます。
学校再編では高陵中学校に小学校を併設し小中一貫校として整備するための校舎の改修費に12億円あまりを確保。来年4月の開校を予定しています。高岡西部中校区と伏木中学校区でも小中一貫校を整備するための費用が計上されています。
能登半島地震からの復興関連事業には18億円9000万円あまりを盛り込みました。このうち液状化対策に2億3000万円あまりを確保。再液状化対策の工法を年度内に決定し新年度、試験施工と結果の分析をしたい考えです。

震災からの復旧・復興と大型事業が重なり、過去最大の予算となった高岡市。
新幹線整備を巡る過度な投資などがかさみ、2017年には40億円の財源不足が発覚。おととしまで市債から災害関連費を除いた事業債を45億円以下に抑えてきましたが、今年度は54億、新年度は61億円に増やしました。
高岡市 角田市長
「今ここで事業債を発行しておくことで我々将来的に有利になるぞというものを事業債にしておりますので足りない部分を借金したというふうに思われるとそれは全く持って誤解だなと思っております。我々としては本当に柔軟に予算をどうやれば未来につけを回さずに今やるべきことが出来るのかということを創意工夫、知恵と汗を出し合ってこの予算を作っておりますので」

専門家は市の財政状況と今回の予算について。
東北大学 河村和徳教授
「7、8年前に比べれば財政の余裕度は出てきていると思うんです。高岡市自体に担税力、税金を集める力があるから逆に言えばすぐこういう形で予算を拡大してもあまり問題にならないような状況になっていると思うんですけど、拡大するのではなく縮小した方がいいと考えている市民もいるはずなので1回痛い目にちょっと前にあってる市民からすると経験した分だけ丁寧に説明をしてあげる必要がある」

新年度の市債残高は839億円に減少する見込みですが、今後も新庁舎や体育館の整備など大型事業を控える市にとって予断を許さない状況です。
高岡市の新年度予算案は3月3日から始まる市議会定例会で審議されます。