二十六日以来ずっと新聞社に居り、毎日握飯

事件直後とあって封筒には戒厳司令部の検閲を受けた3月2日付けのスタンプや、消印、押されていてます。

書簡の中で大野さんは「二十六日以来ずっと新聞社に居り、毎日毎日握り飯で、実際の戦地気分にしたりました」

「新聞事業に従事して居る者共が責任の重さ且つ大なるは実に今後に有るのであります」と述べています。

高岡市立博物館の仁ケ竹亮介主幹は「新聞記者としての視点で事件に遭遇した現場の緊迫した様子を記しています。後段では報道に携わる者の姿勢を吐露するよう記述もあり、事件直後としては貴重な一次資料ではないかと思います。全国の方に見てもらい、当時を研究する材料にしてもらいたい」と話しています。

書簡は高岡市立博物館が去年、遺族から寄付を受け文化庁の運営サイト「文化遺産オンライン」で公開されています。