政府はきょう、鳥獣保護管違法の一部を改正する法律案を閣議決定した。これまでは市街地での銃の使用などが難しかったが、条件が整えば市町村の判断で銃を使用することができる。

改正案は、けさ政府が閣議決定した。

環境省によると、クマが市街地など人が生活するエリアに出没することが増えたことを受け、改正の検討を進めてきた。

現在の鳥獣保護管理法では、市街地などにクマが出没した場合など、銃を使用する際は県が許可を出すのに加え、現場の状況を踏まえ警察官が許可を出す。

が、これがなかなか出ない。

住民などの命の安全、さらに家屋など財産への被害を考えれば仕方ないのだが、銃の使用は手続きが複雑で現実的ではなかった。

今回の改正で、複雑だった手続きを簡略化し、現場の判断に重きを置くとともに、もしも場合のサポートについても触れられたものとなっている。

改正案では、クマなどを「危険鳥獣」と規定し、人に被害が及ぶおそれがある場合に市町村長の権限で市街地で銃を使用できるようになる。(自治体職員やハンターなど有資格者)

危険鳥獣にはヒグマ、ツキノワグマ、イノシシを指定するという。

さらに、銃を使用して家屋などが破損した場合は、その損失を市町村が補償することになる。補償は保険で賄う想定だが、費用などは国が財政支援を実施する予定だという。

クマの出没が相次ぐ地域にとっては、対策がかなり前進したといえるのではないだろうか。改正案は今後国会に提出され、秋ごろの施行を目指すという。