2021年9月、北海道苫小牧市の交差点で白バイと衝突し、警察官を死亡させた罪に問われた大型トラックの運転手の控訴審が20日開かれ、札幌高裁は運転手の控訴を棄却しました。
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起訴状などによりますと、砂川市の無職、谷口訓被告(56)は2021年9月13日、苫小牧市柏原の道道の信号機のない丁字路交差点で、運転していた大型トラックで右折しようとした際、反対車線を直進してきた白バイと衝突。

事故現場(北海道苫小牧市・2021年9月)

 

トラックは、道道に合流待ちの乗用車の“内側”に入る不適切な右折

 白バイに乗っていた男性警察官(当時32)を死亡させた過失運転致死の罪に問われていました。

事故現場(北海道苫小牧市・2021年9月)

 2024年8月、札幌地裁は「右折の開始時点で対向車線を確認していれば、白バイが来ることを予見することは可能だった」として被告の過失を認定し、禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡していて、弁護側は事実誤認や法令適用の誤りを理由に控訴していました。

有罪判決を言い渡していた札幌地裁(2024年8月)

 20日の控訴審判決で、札幌高裁の青沼潔裁判長は「右折6秒前に前方確認し、影のようなものが見えたという被告の供述を信用するとしても、車両の速度や種類は確認できておらず、注意義務は果たせていない」と指摘。

また、「右折開始の直前に前方確認する義務を尽くしていれば、結果を回避する可能性があった」として、弁護側の控訴を棄却しました。

控訴を棄却し、一審判決を支持した札幌高裁

 弁護側は「右折開始0秒前の前方確認でも、結果を回避する可能性があったとする控訴審判決の判断には疑問が残る」として上告する方針です。

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