日本三名園の一つ、岡山の後楽園では今年は2月19日に菰を外して焼き払う、「松の菰焼き」の行事が行われます。
昭和51年から始まった行事で、園内の約240本の松の幹に巻きつけていた菰(こも)を外し、その中で越冬している害虫を菰ごと焼いて駆除するものです。
果たして、どれくらい効果があるものなのでしょうか?害虫駆除に詳しい東洋産業の大野竜徳さんに教えてもらいましょう。
ーそもそも「菰」とはどんなものなのでしょうか。
(東洋産業 大野竜徳さん)
「冬に大きな公園や庭園などで、樹木を見てみると、私たちの胸くらいの高さに藁のようなものを巻いているのを見かけることがありませんか?まるで木が腹巻をしているようなこの姿。場所によっては木がグルグル巻きにされていることもあります」
「これを『菰巻き(こもまき)』といって、冬の間、マコモや稲わらなどで編まれたむしろを樹木(特に松の仲間)に巻き付けているものです」

ーどんな害虫が菰の中に集まるのでしょうか?
(大野さん)
「菰巻きのそもそもの目的は、樹木で越冬するマツの害虫、マツカレハの幼虫を暖かくて風の当たらない菰の中に誘い込んで閉じ込めてしまおう、というものです」
「そろそろ、この菰の中に誘い込まれて眠っている害虫を春の目覚めの前に、寝込みを襲って駆除してしまおう、という伝統行事、菰焼きが行われる時期が、ちょうど今頃です」
