医療費が高くなった際に患者の負担を抑える「高額療養費制度」の上限の引き上げをめぐり、厚生労働省が長期に治療を受ける患者の自己負担額については引き上げず、据え置くこととする修正案を示しました。
「高額療養費制度」は手術や入院などで患者の支払う医療費が高額になった場合に、年齢や所得に応じて、決められた毎月の上限額を超えた分が払い戻される仕組みです。
政府は現役世代の保険料の負担軽減を理由に、患者の自己負担額の上限を今年8月から段階的に引き上げる方針を決めていましたが、患者団体などから反対の声があがっていました。
これを受けて、福岡厚労大臣はきょう、患者団体らと面会し、長期で治療を受ける患者に配慮した修正案を示しました。
福岡厚生労働大臣
「特に長期にわたって療養を続けていらっしゃる方々が今回の見直しに対して、大変、不安を感じていらっしゃるということは事実でございまして、そうした方々の思いに最大限、寄り添う必要があるという風に判断をいたしました」
修正案では、直近12か月以内に3回利用すると4回目から負担が軽減される仕組みについては、年収にかかわらず、現行の自己負担額を引き上げません。
例えば、年収700万円の人が4回以上利用する場合、政府の当初の案ではひと月7万6800円まで引き上げるとしていましたが、現行の4万4400円に据え置かれることになります。
一方で、患者団体らは長期に治療をする患者への配慮だけではなく、引き上げそのものの見直しを求め、引き続き訴えていくとしています。
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