登下校中の自転車による交通事故。子どもたちの安全を守るため、学校での取り組みや、通学路対策について取材しました。
全校生徒およそ1200人のうち半数が自転車で通学する大分市の大東中学校。4日は、スタントマンが自転車の事故を再現する特別授業が実施されました。生徒に自転車事故の危険を疑似体験してもらい、事故防止へ意識を高めてもらおうと過去に起きた歩行者との衝突やルール違反の運転が再現。

(参加した生徒)「僕は普段、自転車通学なので、車とぶつかったり、自分も歩行者をひいたりするかもしれないので怖い」「自転車のルールを見直さないといけないと思った」「しっかりと確認しながら安全に運転したい」
大分県内では今年に入り、自転車が絡む交通事故で214人が負傷。このうちおよそ4分の1にあたる51人が登下校中の中高生で、去年の同じ時期に比べ15人増加しています。事故の原因は交差点の出会い頭が半数以上で最多、次いで右左折となっています。
600人以上の生徒が自転車で通う大東中学校では独自の自転車ルールを設けるなど通学路での交通安全対策に力を入れています。
(八尋記者)「500メートル以上続くこちらの長い坂では生徒は自転車から降りて学校に向かいます」
昭和電工ドーム近くの交差点から中学校に続く長い下り坂はスピードが出るため自転車に乗ると危険が伴います。そこでその下り坂では自転車を押すという学校独自のルールが去年決まりました。

(大分市立大東中学校・林吾郎校長)「一番大事なのは命なので自分の身を守ることは当然だが、歩行者など周りの状況を見ながら十分安全に登校することが大事」
一方で、通学路の安全対策も進められています。過去に全国で子どもが犠牲になる交通事故が多発したことを受け、大分市や警察などが毎年、通学路の点検を実施し、路側帯の塗り替えやガードパイプの設置など必要な安全対策が講じられています。大東中学校でも安全に道路を渡れるよう市に要望を出し、中学校前に去年、新しく横断歩道が設置されました。

(大分東警察署交通課・小林靖正課長)「安全に子どもたちが通学で使えるようになったということで非常に評判のいい横断歩道になった。限られた予算だが、現場に足を運んで実際に必要性などを判断して設置できる分は積極的に設置していきたいと思う」
ソフト面でもハード面でも様々な取り組みが進められている登下校中の交通安全対策。自転車に乗る側の意識向上とともに通学路付近をはじめとした安全運転の徹底が求められます。