J2昇格に「やったろうじゃないの」

カターレを経営面で支え、チームを鼓舞し続けるのが、カターレ富山の左伴繁雄社長です。
橋本星奈アナウンサー
「いよいよJ2で開幕ですが、いまのお気持ちは?」
カターレ富山 左伴繁雄 社長
「まぁ『やったろうじゃないの』っていう。(J2に)上がった時の前向きなエネルギーというのは、ずっとJ2にいるクラブと違ってパワーの源になる。なので初年度ってのはすごくチャンスがある」
社長に就任したのは4年前。
カターレ富山 左伴繁雄 社長(2021年当時)
「今年なんとしてもJ2に戻るということを喫緊の課題として全面に押し出していきたい」
チームの強化とともに取り組んだのが、富山の街に「カターレ」を根づかせることです。

ホーム戦の前には街頭で選挙さながらの辻立ち。さらにSNSでは、自ら広告塔になり、サッカーファンだけではなく、幅広く関心を集める独自の戦略も。
就任からわずか1か月あまりで、フォロワーの数は250人以上の増加、インプレッションは前月より480万増えました。
平均来場者数は就任時の2000人台から昨シーズンは4000人台に。
毎年、チームの成績も会社の規模も着実に成長させ、就任から4年かかったものの、言葉通りJ2復帰を実現しました。
当時の年商約5億円から今年度は約11億円5000万円(見込み)と、倍以上に成長させました。
しかし――
カターレ富山 左伴繁雄 社長
「J2の中でいくと14番目か15番目で。20クラブ中ね。そんな中で戦っていかなきゃいけない」
去年のプレーオフ決勝。昇格を決め、喜びを爆発させる選手たちの中で左伴社長は――
カターレ富山 左伴繁雄 社長
「J2に上がった瞬間見えてきた、J1というのが。具体的に会社のサイズをどこまで上げなきゃいけないのか、いい成績も収めたいということを考えると、途方もなくやること多い。その作業を考えるとちょっと憂鬱になったね」
社長が見据える先

左伴社長が見据えるのはJ1への道筋。清水エスパルスや横浜Fマリノスなど数々のJ1クラブで経営を担ってきた左伴社長だからこそ見えるものです。
カターレ富山 左伴繁雄 社長
「(J2)初年度なのに生意気なこと言うかもしれませんけども、J1に上がる準備というのはこういうことを言うんだなという、その糧をいっぱい体験すること」
J2は「J1への準備」の舞台。J2で結果を残すためには、選手・スポンサー・サポーター、カターレを取り巻く環境すべてでの意識改革が重要だと話します。
それはカターレの存在が県民に支えられ、愛される「県民クラブ」だからです。
カターレ富山 左伴繁雄 社長
「J1はずいぶんもっと先のことだなと思っている意識が1番J1を遠くしてる。『県民クラブでも上がれた』ではなく、『県民クラブだから、富山はJ1にまで行ったんだ』というところまでの羅針盤を作っていかないといけないなと今は強く思っている。J2のカターレがどんな戦いをするのか、しかと見届けてくださいというふうに自信を持って今のチームなら言えますね」
強豪ひしめくJ2に11年ぶりに挑むカターレ。J2で戦い抜くチームに。そしてその先の未来へ。新たな挑戦が幕を開けます。
カターレ富山は16日、アウェーで愛媛FCとの初戦に挑みます。