SDGsについて考えるシリーズ「つなごう沖縄」。今回は「アライ(Ally)」がテーマです。

「アライ」とは、LGBTQなど性的少数者を支援する人々のことです。当事者生徒との出会いから「性の多様性」に関する授業を10年以上続ける高校教諭の姿を通して、その意義を考えます。

▼中部商業高校 本村優教諭
「今日は性の多様性についての授業ということでちょっと緊張すると思いますけど、卒業前に社会に出ていく人間として考えておいて欲しい内容になりますので」

県立中部商業高校で保健体育の教員をしている本村優さん。

▼本村優教諭
「性的少数者のことを英語でセクシャルマイノリティーと言います。それを支援する人ね、当事者ではないんだけど、寄り添ってあげたい、サポートしてあげたいっていう人を “アライ” と言います。私もそういったアライでありたいなと思うんですけれども」

LGBTQ、性的少数者にまつわる言葉やデータ、海外情勢などを解説する「性の多様性」の授業をおよそ10年間続けています。きっかけは、ある当事者生徒との出会いでした―

申瞭(しん りょう)さん(27)。本村さんの教え子で、今回、生徒と交流してほしいと授業に招きました。

(リョウちゃんのTikTokより)
「私は私。人は人。自分がしたいようにする。人の目なんて気にしてられない。まる。終わり」

ゲイであることを公表し、SNSで「リョウちゃん」として活動。ポジティブなメッセージや自身のライフスタイルを発信する姿が若者から支持を集めています。フォロワー数はおよそ1万2000人です。

(生徒とリョウちゃん)
「行くよー!はい、チーズ!めっちゃ可愛い!ありがとう!」

▼本村優教諭
「当時勤めていた学校に申瞭がいて、それで私に悩みを『自分ゲイなんですけど』っていう悩みを打ち明けてくれて」

―ーリョウちゃんはどうして本村先生に話をしようと思った?

▼リョウちゃん
「保健体育の授業って性に関する授業もあったりして、それで自分の悩んでいることを伝えられるかもと思って。自分がゲイであることとか、誰かに聞いてもらいたいっていうか、これでいいのかなみたいな感じを多分話したと思う」

それまで性の多様性について深く考えたことがなかったという本村さんですが、リョウちゃんからの思いを受け止め、一念発起しました。

▼本村優教諭
「教師として授業でそういったことを周りの生徒たちに伝えていくことが大事なんじゃないかなと思って、(リョウちゃんと)一緒に相談しながら体験談も書いてもらいながら授業を作り上げていった」

10年前から必ず取り入れているのが「リョウちゃんの体験談」。当時はリョウちゃんの名前を伏せて、授業で読み上げたと言います。