去年8月の台風10号で浸水被害が広がった大分県国東市の武蔵川で、増水しても可動堰が倒れなかった原因は業者の施工ミスだったことがわかりました。
(県河川課・松尾寿一課長)「施工という括りでいうと施工ミス。県としても今回の事案は大変重大と受け止めています」
国東市の武蔵町手野地区を流れる武蔵川は、去年8月の台風10号で農業用水の流れを止める可動堰が倒れず越水。少なくとも倉庫や住宅、公民館8棟や農地およそ2ヘクタールが浸水する被害が出ました。
この可動堰はおととし8月に整備されたもので、一定の水位に達すると回転板が動くことで自動倒伏装置が作動するはずでした。ただ、回転板を動かすために必要な「調整ボルト」を入れ忘れていたため、可動堰が転倒しませんでした。
熊本県にある製造・設置業者の西田鉄工は12日、地元説明会で住民に謝罪していて、製造物責任法に基づいて被災に応じた損害を賠償する方針です。
県が管理する河川には同じく西田鉄工が施工した可動堰が41基設置されていて、部品の欠落がないか今年5月末にかけて現在調査が進められています。